筆者は独立6年、独立前のサラリー時代を入れると計11年、をいわゆるビズデブ、ビジネスデベロッパーとしてお仕事を頂いています。
上手くいってIPOをした事業もあればシードフェーズでもうダメになるなと予感して見事に修復出来なかったもの、細々とニッチな市場を獲得できたものなど様々な事業立ち上げを行ってきました。
現在もマーケティングコンサルやDX、ビズデブが収益のほとんどの割合を占めており、重要な業務の一つです。
ただ、やりながらもうダメだなと思う事も多く、そんな時は外注の人間が頑張っていかないと、と思うのですが、結局それが理由で立ち上げすらままならずプロダクト開発に要した予算だけ消化されて消えていきます。
そんなダメだった要因第一位をご紹介したいと思います。
目次
そもそもビズデブとは何をやるのでしょうか。
筆者は自分自身でサービス立ち上げをやってきているノウハウをクライアントワークで展開しているだけなので、ある意味独学です。
ただ、様々な業界のビズデブの方と会話をすると上手くいっている方は皆さん共通認識を持たれています。
それは非再現性のある活動をしてみる、ということ。
一般的な業務では、再現性のある活動を属人的な再現から組織での再現へと展開していき、特定の市場を囲い込む動きをしていきます。
もちろんその動きもするのですが、その前段階で考えるのが非再現性のある活動、なのです。
属人性があっても再現ができない活動をする事で、独自性に気付かされたり、人脈作りに繋がったりします。
筆者の経験則では、某大手メディアに出稿したくてそのメディア事業の本部長さんを出待ちみたいな事をして捕まえ、話をする機会を創出。
その後、一緒にご飯を食べに行ったらまさかのヘッドハントをもらい、プロパーは断ったものの一緒に事業会社立ち上げをする事に。
そこで元々の出稿の話やそのプロダクトの話をしたところ、まさかの出稿料無料、プロダクトの特集まで組んでもらって大変多くの問い合わせをもらえました。
こんなの再現不可能ですよね(笑)
対して、再現性のある活動もします。
多くはマーケティング・営業になりますが、ここではガッツリとABMで回していきます。
特定の業界をターゲットとして、ひたすらにどんな方法でもいいから色んな方にアポイント、話を聞いてプロダクトの説明をして独自性を再検討、また提案、をループさせて、1ヶ月で100アカウントくらいに話が聞けたらチーム内でレビュー、別業界に変えるかもっと掘り下げるかなどを検討してまた次へ、という流れです。
ここで上記の通り、属人的な再現性から組織での再現性が重要となり、チーム内の知識レベルを合わせていく必要があります。
と、筆者のビズデブの仕事は現場に出て実動もするので、ただのブレインではなく行動するブレインとよくクライアントからも言われます。
ただ、ここまでカロリー高い仕事をこなしても絶対にこれは立ち上げられないなと思う要因が一つだけあります。
実動するビズデブである筆者がもうこれは無理だと思う要因。
それは、
クライアントの熱量を感じない
これに限ります。
いるんです、何のために新規事業をやるのか分からないタイプの代表さんが。
もちろん案件を受ける前に全て話します。
プロジェクトがある程度進んでる段階でも容赦なく話します。
ただ、通じるケースはありません。
本人に自覚がないのです。
そんな代表がいる企業はまず組織としても死んでいます。
熱量を感じなくなるのには、代表が一喜一憂が激しい方であったり、情緒不安定であったり様々な根本理由があると筆者は考えています。
どれもこれも代表やビズデブ、マネージメント、どの職種でも不適合な内容だと思います。
常に冷静だけど沸々とこのプロダクトで世の中を驚かせるんだ、と強い熱を持っているというのは本当に重要です。
今までで一番酷かったのは、開発中なのにバイアウトの話をしたり誰か買手いないか、と相談がきた事です。
そもそもがプロダクト自体が未完なのにもう熱量もなければ金を回収する事しか頭にないんだなぁと思って筆者も落胆しました。
根性論のようですが、熱量というのは本当に大事です。
自分のプロダクトに熱量が無くなったら赤字を叩き出そうが何だろうがやめた方がいいです。
今回書いた内容は実体験です。
社名を出していないだけで全て100%の実話です。
熱量、自分のプロダクトへの愛が無いと何も上手くいくわけがないのです。
また、これから新規事業に取り組む方は、自身の気概を一度分析する事をオススメします。
前述の通り、一喜一憂が激しい方は確実に向いていないので、その際は別の職にコンバートするか、自身の気概を治すかを検討しなければ難しいです。
昨今、様々な企業がビズデブを求めていますが、その企業の担当者の熱量もまた一つの大きな要因です。
外注一人がどうこう出来る問題ではないですし、何とかしようともがくものの、結局それが要因で破綻するケースを幾度となく見ています。
熱量、測定しづらいものですが、ビズデブの方は案件を受ける前にクライアントにこまめにそのプロダクトで世の中をどうしたいのか、と定性的な会話を沢山することをオススメします。