マーケティングやストラテジストを生業にしていると毎週のように新しい言葉やら略語が出てくるなぁと感じます。
最近では表題の通り、PMFがそれに当たります。
スタートアップのコンサルタントを請け負ったり、イントレプレナーな事業に関わると出てきていた言葉なのですが、最近のビジネス系メディアなどがよく取り上げているからか、やたらと今年に入ってくらいから聞くようになりました。
そのPMF、なんぞやという話から実現方法までを私見をものすごく交えながら綴っていきます。
目次
PMFとはプロダクトマーケットフィットの略称で、提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態のことを指します。
シリコンバレーの名門VCの創業者、マーク・アンドリーセンが広めた概念で、ベンチャー企業、スタートアップなどが事業を始める際などに使ってきたある種のフレームワークのようなものです。
趣味や考え方、生活のあり方など消費者動向が多様化してきている昨今において、合わせて様々なサービスやプロダクトが市場に現れています。
サービスがPMFに到達しているのか、していないのかにより、事業が成功するか否かが関わってくるとも言えます。
PMFとは、市場(ニーズ)とそれに合ったサービスが重要であるという事です。
ただ、これだけを言われてもどのようにしてPMFの状態に持っていくのが不鮮明なので、もう少し解像度を上げてご説明していきたいと思います。
PMFを目指すにはまずPSFを目指す必要があります!!
何言ってんのか自分でも分からなくなるのがマーケティングとかITの略語ですよね。
PSFとは、プロブレムソリューションフィットの略称です。
解決するべき問題や課題の発見とそれを解決するための最適な方法を導き用意すること、です。
もうこの時点で筆者のような捻くれ者は、単なるクリティカルシンキングじゃないのか、と疑ってしまう概念です。
まぁ綴っていきますが、PSFを実現するには4つのフェーズがあると言います。
STEP1、解決するべき問題や課題の発見
市場(ニーズ)のある解決するべき問題や課題を見つけていきます。
はい、マーケティング歴が長い方はわかるとおり、マーケティングリサーチです。
パネル調査やら色んなリサーチを用いて、定性的にも定量的にもデータを取得して、課題を見つけていく作業です。
STEP2、解決策の模索
STEP1で見つけた問題や課題に対して、解決策、ソリューションを模索します。
この時の考え方として、「あったらいいな」ではなく、「確実に必要」というレベル感の解決策を発見できることが理想となります。
はい、意見を抽出して課題に対して仮説を立ててその深度を更に深めていく作業。
そうです、グループインタビューからデプスインタビューです。
もうこんなのとっくにマーケターなりビジデブの人はやってるんですよね。
STEP3、協力者の確保
思い描いた解決策に賛同して協力をしてくれる人を探します。
その解決策にどのくらいの人が賛同したいと考えているかの把握、また開発まで協力してくれる人を探す必要があります。
これはあまりマーケターの方は浮かばないかもしれないですね。
ビジネスデベロッパー(ビジデブ)はしょっちゅうやってるので、もう特段新しいとも言えない概念です。
STEP4、ユーザーの購買意欲を確認
ユーザーがコストをかけて購買行動を起こさないことには、事業を進めていくことはできませんので、実際にどのくらいの金額でユーザーが購買してくれるのかを調査します。
はい、ジャーニーマップなりバイイングマップなんて呼ばれるフレームワークを使って分析するフェーズですね。
これはもう確実にマーケター領域。
と、ここまでで分かる通り、事業立ち上げを経験した人の動きをフェーズ分けして誰にでも分かるようにと記載をしたのが、このPMFだと思います。
でもまだまだ続くのです、このありきたりなフレームワークは。
PSFが終わったらMVPを開発・リリースします。
もう何の話なのかわかりません。
何かの大会でしょうか。
ここでいうMVPは、Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略称で、想定されるユーザーに価値を提供できる最小限の解決策を持った商品やサービスの事です。
ただのプロトタイプですね。
PoCやる前に作ってみるやつです。
場合によってはプロトタイプどころかモックアップに近しい状態の時もあります。
内容としてもこのMVPを用いて仮説検証を早いサイクルで回し、より事業スピードを早めていくというのがこのMVPの考えのようです。
また、前項のPSFで既にマーケティングリサーチを終わらせていますが、継続的なリサーチというのもここでは必要となります。
その検証・仮説立て・改善を早いサイクルで回すことでサービスをより強固なものとしていきます。
当たり前ではないでしょうか、、、と言わないでください。
本当に現場ではよく出てくる言葉なのです、PMF。
PMFの測定方法は様々な指標があります。
以下の4つの手法が一般的なようです。
1、Product/Market Fit Survey
2、NPS
3、エンゲージメントデータ
4、リテンションカーブ
正直どれも細かく説明する必要があるものなのかと疑ってしまうほど、抽象的かつ曖昧、現状のマーケターやビジデブもよく使う指標です。
サブスクリプションサービスであれば、尚更これらは経営指標や事業評価に繋がるもののため、意識するのではないでしょうか。
ただ、これらの指標を用いてサービスやプロダクトを評価し、早いPDCAを回すことを実現させてスパイラルさせていく、というのがこのPMFという最近よく聞く言葉の本質でしょう。
正直今回ご紹介したPMF、事業企画やマーケター、コンサルタントやストラテジストからしたら当たり前な内容だと筆者は思います。
昔から使われているSTPと何が大差ないのか正直分からないですし、意識高いマーケターやビジデブが増えた昨今、こういった言葉を使いたいのかなとすら思います。
略称が非常に多く使われるITやマーケティングの業界です。
今後も様々な概念や言葉が生まれてくるでしょう。
ただ、その本質は何なのか、果たして今まで全く無かった手法や概念なのか、こういった事をクリティカルに考え、ロジカルなエビデンスを元に推進できる人間でないとマーケティング業界で生き残るのは難しいと感じます。
単語や略称といった上っ面に囚われることがなく、本質を常に見定めその本質を裏付けるものは何なのか、これを考えるために様々な略称が生まれてきてると筆者は考えています。
否定的ではないのですが、上っ面に囚われない地に足をついた考えで市場にぶつかっていけるサービスを提供していきたいものです。